Sunday, September 9, 2012

[Jp] 移動祝祭日


[Jp]   こんにちは!毎日朝寝坊できた夏休みも、そろそろ終わりですね。休暇の終わりは寂しいけれど、新学期に向けてちょっと楽しみな気持ちもあったりするこの時期。私はパリで新生活を始めました。東京人Petite Ayako、パリジェンヌになるの巻。

 この街は本当に好き。やっと好きになった、と言った方が正しいけれども。以前はフランス文化やフランス語や、この国に関する全てのことが嫌いになって、代わりにアメリカかぶれに走った時期もありました。米ドラマを見て、友達と英語で会話して、アバクロを着て、四六時中ガムを噛んで……。でも、やっぱり何かが違った。本当は、私はアメリカナイズされたいわけではなかったから。焼きたてのフランスパンの香りや、メトロで流れるどこか懐かしいアコーディオンの響きや、チュイルリー公園の厚かましいほど近寄ってくる鳩たちの方が、愛おしく感じたわけです。そこかしこで聞こえる、汚いののしり言葉でさえも、笑。でもやっぱり一番恋しかったのは、パリジェンヌの趣味の良さでした。アメリカ的なカジュアルスタイルもいいけれど、私はフランス的なシックさが好きみたいです。

 今はすごく幸せで、居心地もいい。私はもともと気が小さくてすぐに色々心配してしまうのですが、ここでは些細なことを気にしないでいられるような感じがします。言語学の仮説で、「話す言語が、その人の世界の知覚に影響する」というものがありますが、これを実感しています。フランス人はよく「C’est pas grave」とか「Ce n’est pas la fin du monde」(「大丈夫だよ」、「世界の終わりってわけじゃないんだから」)と言います。こういう明るい考え方が文化的に根付いているので、フランス語を話しているとあまりストレスを感じずにいられるのかもしれません。

 使える言語が増えるほど、それだけ豊かな価値観を得られるので面白いと思います。ただ複数の言語が頭の中でまざってエスペラント語のようになってしまうことが問題です。話す時はお互いに通じればそれでいいけれども、やっぱり書く時はそれじゃだめだものね。一つの言語で文章を書く練習のためにもこのブログを今後も書いていきます!お楽しみに!